PPT参照

従来から行われている手動による植氷の場合には、できるだけ受精卵から離れたところを冷却して確実に氷晶を作り、その氷晶がストロー内を成長していくことを確認することが絶対必要です.実際、何℃に冷却した金属片をどれぐらいの時間触れさせ、受精卵とどれぐらいの距離を離しておく必要があるのかは明確ではありません.(実験的には、液体窒素中で10秒間冷却し、ストロー管の液相部分の外壁に5秒間触れる方法では間違いなく植氷が可能)また、受精卵の位置を肉眼で視認することもほぼ不可能です(そのために、受精卵の真上で植氷をしないために、複数のカラムを設け受精卵を入れるカラムを予め決めておきます).したがって、手動による植氷では失敗したり、受精卵に過度の温度衝撃を与える危険性は常に存在します.一方、iStrawでは氷晶は‐7℃の雰囲気で自然発生的に形成されるので、図2の短いカラムに受精卵を配置しても全く問題ありません.空気層の大きさには規定はありませんが、あまり大きすぎると氷晶がストロー全体に行きわたるのに時間を要します.最大でも3 mmまでにした方が安全です.普通に凍結保存溶液をストローに吸引すると、気泡部分のストロー内壁が濡れた状態となっているため、氷晶が成長するのに問題はありません.ストロー内に異なる組成の液を吸引する場合は、液が相互に融合しないために、気泡を吸引した直後にストロー断端をキムワイプ等の上に軽く接触させることによって気泡部分のストロー内壁の濡れを除去する手段をとることがあります.こうした場合、例え気泡が上記の3 mm以内でも氷晶の成長がストップすることがあるので注意してください.